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記事: わたしとあなたのあわいにあるもの 第5回

#淡の間

わたしとあなたのあわいにあるもの 第5回

6月末に夏至を迎え、太陽はかに座のエリアへ。一年で最も昼が長くなるこの季節ですが、光が満ちるぶん影もまた静かに輪郭を帯びて、ふとした瞬間に心の奥に闇が差し込むような感覚になることがあります。また、にぎやかな日常の背後で、ふとした瞬間に訪れる静けさや、思い出の断片のような感情が浮かんでくることもあるでしょう。夏至を過ぎてからの日々は1日1日と陰を深めながら冬へと近づいている、そんな影響があるからでしょうか。

 6月21日から7月21日までは太陽がかに座を運行する「かに座の季節」。今年のかに座シーズンは12年ぶりの木星の進行と重なっていることもあって「かに座ムード」の強い時間が流れています。

2025年6月10日から2026年7月1日まで続く12年ぶりのかに座木星期。この大きな流れの中で私たちは、この世界で「安心できる場所」「守りたいもの」を再定義していくような時間を過ごします。木星は、拡大と発展・評価と収穫をもたらす天体です。その木星の作用と、かに座が司る“育てる・守る・つながる”という性質に光が当たりやすくなるこの夏は、家庭、血縁、土地、コミュニティといったテーマが一層重要な意味を持ち始めます。

 しかしそれは、いわゆる“もっと家庭的に・優しい人間になりましょう”というステレオタイプ的な話ではなく、今の自分にとって心から安心できる場所を見つけ直す、ということなのだと思います。自分の本音を話せる場所、力を抜いて過ごせる空間、自分自身とつながれる時間。そして信頼が伴う人間関係。物理的にも感情的にも内側を満たしてくれる「心の家」を築いていくこと。大切な人と共に生きるための土台を作っていくことやその姿勢そのものが、社会が大きく変容する今の時代のなかでますます重要な意味を持つはずです。

木星の周期は12年かけて巡ります。そのため時間を遡るような性質も持ち合わせており、たとえば2013年から2014年ごろに自分が向き合っていたテーマや感情が思いがけず再び浮上してくる可能性があります。当時の自分は何を守ろうとしていたのか。何に居場所を感じ、何に不安を感じていたのか。その答え合わせをするような場面に遭遇するかもしれません。

そしてこの夏はもう一つ、大切な星の動きがあります。7月18日から8月18日まで、水星がしし座のエリアで逆行することです。水星逆行は年に3回ほど起こる現象ですが、今回逆行が起こるエリアが「しし座」ということが重要なポイント。しし座は「自分自身を表現すること」や「創造的な意志」に深く関わるサイン。そこを水星が逆行することで、自分の伝え方や表現のスタイル、さらには“本当の想い”がすれ違いやすくなる時期となります。誤解、言い過ぎ、もしくは言わなすぎ。その中で「わたしは何を本当は伝えたかったのか」がという思いが再定義されたり、衝動的に現れたり、対人関係や周りの出来事を通して表面化されていくかもしれません。

 逆行期間中は、見栄やプライド、承認欲求にまつわる未解決のテーマも浮き彫りになりやすくなります。だからこそ、強がらず、飾らず、正直に言葉を届けること。とくに家族や心の距離が近い人とのやりとりには、感情的な波が起こりやすいため、時間を置いてから対話することも大切です。

 かに座のシンボルマーク(♋️)に表されているままの「内と外を行き来する」様な感覚と、水星逆行による「伝える/伝わらない」のテーマ、が重なるこの夏は、とても繊細な心の調律期間とも言えます。 変わりゆく社会、進化する技術、新たな流れの中で、私たちは今あらためて「変わらないもの」「守りたいもの」に目を向けようとしています。新しい時代の波が迫ってくる中で、心のうちで自然と生まれる“保守的な感覚”, “生活の安心について思うこと”にも耳を澄ませてみてください。

 自分だけの「安心」に目をむけ、ブレない心の家を築いていくことは、内側に閉じこもることではありません。外の世界で揺れながらも、自分の内に戻ってこられる場所をつくること。その繰り返しの中で、私たちは少しずつ変化に順応し、柔らかく強くなっていきます。この夏は、あなたの「心の家」をていねいに整える時間。そして、胸の奥にあるほんとうの声を、静かに受け止める時間を過ごしてみてください。

 最後にセルフケアをお伝えしようと思います。かに座が象徴する身体の部位は「胸・胃・子宮」。感情を抱き、消化し、守るという働きを支える場所。ついつい姿勢が悪くなることで丸まりがちな胸部を呼吸と共に開いたり、みぞおちを温めたり、深呼吸を意識的に行うことで、情緒のバランスが整いやすくなります。香りのケアとしては、ネロリやローマンカモミール、クラリセージなど、神経の興奮を鎮めてくれる穏やかな精油がおすすめ。外からの刺激をやわらかく中和し、内側の静けさに還らせてくれるような香りたちです。忙しい毎日が続く時こそ意識的に立ち止まり、深い呼吸とともに「わたしはここにいていい」と自分を優しく包み込むような時間が作れますように。

さてこちらのコラムですが、今月で最終回を迎えることとなりました。短い時間でしたがお読みくださり大変ありがとうございました。


淡の間より

 

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