Article: わたしとあなたのあわいにあるもの 第3回
わたしとあなたのあわいにあるもの 第3回
こんにちは、淡の間です。
このコラムの中では、地球に生きる私たちと宇宙の星々との間で生まれる共鳴作用から現れる現象のことや、私が学んでいる西洋占星術と美容や健康のことを合わせたりなどいろんな話を織り交ぜながらそれぞれに潜む見えない「あわい」の輪郭を辿っていきたいと思います。
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近頃は桜が散ればあとはもう夏まっしぐらのような空気感ですが、今年の初夏はどうなるでしょうか。こんなにアップダウンが激しい春は今までなかった気がします。個人的には、薄手のアウターやシャツを引っ掛けて少し肌寒く感じるくらいの気候が続いたら良いのにな。
このように気候が極端だと昨年のことを忘れてしまいそうになるのですが、例年4月末から5月末は西洋占星術の世界ではおうし座のシーズンです。
おうし座が分類されるグループは「地」の性質。
この世界のあらゆる物質に関わること・形あるもの全てに紐づけられるのですが、その中でもわたしたちが持っている物質といえば「肉体」そのものですから、肉体を通して得られる感覚の体験がおうし座の世界に関わることと言っても良い。
視覚する、聞き耳を立てる、味わう、嗅ぎ分ける、触れ合う。
微細な五感の世界は、その向こう側にある「見えない世界」への繋がりを作ります。
あなたが今、欲すること。感じたいこと。
それが、あなたの中にある「おうし座の体験」に繋がる。
つまり、おうし座の管轄領域とは、肉体と感覚をつなぐ大切な「あわい」の役割でもあるのですね。
また、おうし座の行動パターンといえば「不動宮」といい、変わらないことや継続することを重視する気質です。
毎年季節が変わっても年齢を重ねても変わらないことがあると安心しませんか。この味ずっと好きだなあ、この形の服選んじゃうなあ、この音楽飽きないなあ、みたいな。その変わらなさもまた、あなた自身の感覚を形作る大切な要素ですよね。
由来する身体の部位は首周りや甲状腺、頭と胴体を繋ぐ身体の上部分に該当します。
おすすめのケアは、首周りや肩周りのケアをすること。頸椎を含めた首周りは様々な神経が通っているので素人があれこれやるよりもプロに任せた方が確実なのですが、気がついた時に首を回したり良い香りのオイルでリンパを流してあげるだけで心も顔まわりもスッキリしますね。顔だけでなくスキンケアと一緒にしっかり保湿をするとか、首の傾斜にあった枕に変えることもおすすめしたいこと。あとは、何事においても基本と言われている規則正しい生活やストレスを避けた行動というのも何よりのセルフケアです。特に今の時期の欲求は普段抱えるストレスからの反動が現れやすいので、過不足のないように今ここにいる自分としっかりと向き合ってあげましょう。
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仕事柄、お客様から「どうやったら自分との信頼関係が作れますか?」と聞かれることがありますが、それに対して私は「まずは自分の『欲』に素直に向き合ってあげましょう」と答えるようにしています。
この「自分の欲(自分軸)」っていうのがめちゃくちゃ大切で、自分軸というのは責任や評価の軸が自分にあるという状態で、他人軸というのはそれが自分ではない第三者の元にある状態です。
他人軸的な評価から来る「欲」だと底なし沼のないものねだりになりやすい傾向があります。
さて、あなたの欲はどこから?
そもそも自分の「欲」を把握してコントロールできてる?
大なり小なり「欲」はものすごく大切なものでそれをおざなりにしてしまうのは自分を無視したり蔑ろにするのと同じこと。しかし、人間の欲求って基本的に底なし沼。中でも他人軸から来る欲は、判断基準が自分ではなく他人の評価が主体になっているから結局は自分の欲ではなく、手に入れていても無い物ねだりで、また次の何かを求めてしまいます。
昨今は美容の意識が高く、視座の狭い極端な傾向が現れやすくなりますし、極端になりすぎないような理性と本能のバランスコントロールが難しいですよね。よく使われるようになったご自愛っていう言葉も捉えようによっては怪しく、行きすぎると怠惰・甘やかしすぎることになるし…。我慢しすぎてもまたどこかで爆発するし。
あゝ、この世の矛盾、人間の欲とはなんてややこしいもの。
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Wikipediaから引用すると「欲」とはそれを満たすための行動や満たされた時に快感を覚える感覚であり、心の働きや行動を決定する際に最も重要な役割を持つと言われているとのこと。
アメリカの心理学者・マズローによる『5段階の欲求階層』を引用すると、人間の欲求とは大きく分けて自己実現欲求・承認欲求・社会欲求・安全欲求・生理的欲求の5つに分類され、さらにこの5段階の欲求を満たしたものが体験できるさらに上のステージがあり、それは”自己超越段階”と呼ばれているそう。
何かを欲さずとも”今、ここにある”だけで満たされている、いわば凪の状態。欲に振り回されない、欲と対等な世界。
いつかそうなりたいけど私にそんな日が来るのかな。
そう思ってたこともありました。
しかし私はとても欲深い人間です。
欲張りだから、もっといろんなことを経験してみたい。
そんなに世俗離れしなくてもいいし、そもそも完璧なものなんてない。
肉体があるからこそ体験できる泥臭い人生を貪欲に楽しみたい。
それが一番最高かも、って開き直っています。
今年のおうし座のシーズン、芸能人のスキャンダルとかまさかの事件とかが色々起こりそうだと思っているのですが、どうでしょう。
スキャンダルの類ってみんな自分の欲に向き合いきれないから他人の「欲」の発散に意識が向いちゃいがち。倫理的な問題はさておき「欲」に忠実だな〜なんて思って別の視点から眺めてみるのも良いですよ。
ということで今年のおうし座のシーズン。読者の皆さんもせっかくだからとことん自分の「欲」、自分軸の欲望に向き合ってみてください。人にどう思われるかな?なんて思わず一旦リストアップしてみてもいい。私ってこんなことしてみたいんだ!とびっくりしてみてほしい。まずはトライしてみてください。
それが自己信頼への第一歩になるから。
Profile
淡の間(あわいのま)
西洋占星術や西洋神秘学、タロットカード、ヨーロッパ発祥の自然療法などを学び、オリジナルのカウンセリングや講座などを展開しながら地球を修行中。占いのほか、コンセプト監修や文章も執筆。「GINZA」のWEBサイトをはじめ「kufura」、「PERK magazine」などに連載を持つ。noteメンバーシップ内の購読制マガジンも好評。インスタグラムのストーリー機能を使って毎日情報を発信している。